media art work 「恐るべき半導体製の子供たち」

「恐るべき半導体製の子供たち」

2019.1

pc、プロジェクター

unityで制作



 作品はゲームのような形式で操作することができる。PCのバーチャル空間にはまず2体のオブジェクトが存在し、その大きな2つの”親”オブジェクトにはそれぞれ、作者である林自身の画像と、パソコンのカメラからリアルタイムに取り込んだ鑑賞者の画像が、テクスチャーに当てられている。スペースキーを押すと、その時の画像をミックスしたテクスチャーの”子”オブジェクトが生成される。

 その状態で鑑賞者は誕生した”子”を操作し、スクリーンショット、すなわち3人の”家族写真”を撮ることができる。




 この作品は、鑑賞者に対して肉体的な関係性を要求している。気づかぬうちに自らの身体性が画面に反映され、何かが生成されてしまう。作品を通して不特定多数の鑑賞者とのリアルなコミュニケーションの生成を画策した。


 下の画像は「禁足地」展示で記録された”家族写真”。作品のスタート時点で鑑賞者の写真も記録されるので、ここでは開発段階に撮影された僕の写真を参考程度に載せている。


 この作品を展示した時に、作品の範囲や形式への意識が曖昧だったという気づきがあった。この作品はゲームのソフト部分なのか、インスタレーション空間なのか、この場所での体験なのか、保存されたスクリーンショットなのか、今一つ僕はその判断を保留にしたまま宙ぶらりんな形で展示してしまったように思う。

 メディアアートの複雑なプラットフォームを用いる場合にアーティストは、自分自身がより作品の範囲、形式に自覚的になり、明確化していくことが重要だろうと思う。



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